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メンテナンス
2017/01/12

皮革の天敵 カビの事

BAGLOG

明けましておめでとうございます。

旧年中は大変にお世話になりました。

本年もどうぞよろしくお願いいたします。

 

さて皮革メンテナンス室の齋藤です。

新年一発目にふさわしくないタイトルで出発となりましたことをいきなりお詫びいたします。

ただ、とにかくカビの案件が大変多いのでどこかでアップさせていただこうと思ってました。

(まさか年始のアップになるとは・・・)

 

お困りですよね、カビ、今日はカビについて語ります。

カビというのは現在発見されているだけでも数万種類に上り、発行食品や焼酎・清酒を作る為に必要

なものから、癌やアレルギーなど人体に有害なものまで様々です。

そのうち一般住宅から検出される、予防や対策が必要なカビの種類は60~80種類と言われてま

す。

カビが生えるのには 「温度」・「湿度」・「栄養」 の条件が揃ったとき初めて生えてくるようです。

「温度」と「湿度」はある程度ご想像がつくと思います(高温多湿はカビが喜びます)が、「栄養」って

少々抽象的ですよね?

「栄養」というとすぐ思いつくのは食品ですね、ミカンやパン、お餅や野菜などを放置しておくとカビ

だらけになりますが、これだけカビの種類が多いと「栄養」となるものも多岐にわたります。

皮革製品でいうと、皮革自体はもちろん、皮革に使う油脂や樹脂、使用中についた汚れや、手脂

など「栄養」とならないものを探す方が難しいぐらいです。

シュリンク カビ.jpg

 こちらのバッグ、使用回数自体は少なくても、ほぼなんでも「栄養」になります

から多少気温が暖かくなって、風通しの悪いところにおいとけばすぐにカビが

発生してしまいます。

カビは植物ですので、表面を拭き取って一見綺麗になっても、発生した対象物の内部に根を張り、

その根はどうしても取ることが出来ません。根が残っていると再発生の可能性は充分あり得ます。

 

やっぱりカビが生えないように予防することが第一ですね。

使った後はブラッシングや乾いた柔らかい布で拭いてあげたり

長期間風通しの悪いところにしまい込んだ状態にしておかないなどのケアが大事です。

本革製品は手間がかかりますが、それもまた本革であるからこそ。

 

シュリンクアフター .jpg

 

弊社ではカビを除去し、滅菌処理を施し

しばらく風通しの良いところで陰干しをします。

防カビ剤を塗布したあと、カビ跡が残るものは

塗装を施し綺麗にしますがこれだけやっても、

残った根っこからカビが再発する可能性は捨てきれませんね。

 

日頃のお手入をお忘れなく~

 

 

 

 

 

 

 

 

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