皮革の豆知識
2016/07/14
エキゾチックレザーの縁起ばなし ~オーストリッチ編~
その①
オーストリッチの起源は古く、考古学の研究によれば、およそ700万年前もの古代から地球上に生存していたと言われております。
羽毛取引の歴史も数千年に遡り、古代エジプトでは正義、平等、真実のシンボルとして20世紀初めにはオーストリッチの羽は多くの富を意味し重宝されていました。
その②
ダチョウは世界で一番大きな鳥です。そのため「おおとり」や「大将」という意味合いを持つ高級素材です。ご存知の通り、ダチョウは時速70km~100kmの猛スピードで走ることが出来ます。素晴らしい脚力を持っているダチョウですが実は、一切後ろ向きに走ることが出来ません。そのため、この素材を持っていることにより、前向きな生き方ができると言われております。また使い込むごとに輝きを増すことから、「持っているとその人の輝きが失われることはない」と言われる素材なのです。
~余談ではありますが~
大相撲の勝負にまつわる格言に「押さば押せ、引かば押せ」というように前へ前へ前進して相手を打ち負かしなさいという言葉があります。若・貴で有名な元横綱貴乃花関はサイズ30cmもの大きなオーストリッチ製の草履を履いていました。(家庭画報2004年6月号参照)もしかしたら「おおとり」や富の象徴、後ろ向きに進めないといったオーストリッチ素材の縁起を担いでいたのかもしれません。